乱択ショートショート #01
こんにちは。
夏休みで少し時間に余裕ができたのとTLに物書きの機運を見かけたのとで、ショートショートをやってみることにしました。
自分でテーマを決めようとすると時間がかかるので単語を放出してくれるサービスを使います。語彙レベル3、表示語数2でイクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)
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ショートショート『報復』
『XX、ここに眠る』
もともと刻まれていたはずの名前は削りとられてもはや読むことができない。その人物の名が残ることすら許さないという偏執的な想いが伝わってくるようだった。
それだけではない。
墓標やその周りには、口に出すのもはばかられるような下品な言葉がスプレーで落書きされている。
人でなし、許さない、といった恨み言もあちこちから目に入ってくる。
その人物の過去の失敗を揶揄するような書き込みのなされたチラシも辺りに散らばっている。
幾人にも踏みつけられたのだろうそれを手に取ると、その人物が中学生の時分に書いたラブレターだの、高校時代に学園祭でやらかしたエピソードだの、内容もかなり充実している。
よくもこれだけ調べたものだな。半分感心しながらそのチラシを投げ捨てて踵を返した。
こんなことなら、くるんじゃなかった。
愚痴を呟きながら、ここまで自分を連れてきてくれたタイムマシンに乗り込む。
死後の自分の評判を見れば、将来の自分がどんな人間だったか分かる。そんな謳い文句のキャンペーンを聞いて、面白そうだと乗ってしまったのが全ての間違いだったのだ。
未来の自分は人のためになることをしているのだろうか、幸せに暮らしているのだろうか、そんなことを想像しながら楽しみにしていたというのに。
現実はどうだ。この有様だ。
墓場は罵詈雑言の嵐。この荒れようもひとりふたりでできるようなものじゃない。どうやら未来の自分は相当の人間に厭われていたらしい。一体何をしたというのだ。
将来の自分が何者であったにしろ。死後の人間にこんなことをするなど、心というものがないのか。
「やろう、ぶっころしてやる」
帰ったらこんなことをしでかす者たち全員に復讐してやる。なんと蔑まれようが構うものか。誓いを胸に、帰還のスイッチを押した。
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